マツダコネクト AIO(All-In-One tweaks)でカスタマイズ

 マツダコネクトがlinuxで動作していることは自明なわけで、従来はLAN環境があればSSH通信でログインできてしまったためコマンドから 様々な設定を変えることができました。しかし、マツコネv56でSSH通信が無効化されたため設定変更が面倒くさくなったことや、SSH通信を復活させた としてもマツコネとターミナルを通信させるためのLAN環境を作ってやらないといけないため手間がかかりました。
そこで、海外の方がUSBフラッシュメモリから簡単に設定変更やアプリの追加ができるAIO(All-In-One tweaks)というツールを開発してくださったのでこれを使用してみたいと思います。
ちなみにマツダコネクトはOpenCarというオープンプラットフォームで動作しており、公式サイトからSDKをダウンロードすればHTML5でアプリが開発できるようです。

【できること】
自動車走行中のナビ操作、TV視聴、DVD視聴を有効可※1
背景やアイコンの変更
リスト選択のループ化
Androido Auto ヘッドユニットアプリのインストール ※2
など28項目

※1当然ですが、運転者は操作や視聴はしてはいけません。必ず事故ります。あくまで同乗者向け。
※2現時点ではバグが多いようです。またAIOダウンロードサイトからAndroid Autoをインストールした状態でファクトリーリセットを行うとBoot画面でフリーズすることが報告されています。

【注意点】
設定を誤るといわゆる文鎮化する可能性があります。また、文鎮化までは行かなくても動作不良を起こす可能性もあります。
AIOで設定変更やアプリのインストールしている間はエンジンを切ったりUSBフラッシュメモリを引き抜いたりしないこと。
改めて言うまでもありませんが、全ては自己責任。

【用意するもの】
  •  FAT32でフォーマットした空のUSBフラッシュメモリ
  •  USBフラッシュメモリに書き込むためのwindowsPC
  •  v55以降のマツダコネクト※

※v59はパスコードが解読されていないため現時点ではAIOを使用することはできません。

【大まかな流れ】
  1.  AIOをダウンロード
  2.  AIOファイル内の"02_01i.txt"にスクリプト書き込み※
  3.  USBフラッシュメモリをPCに挿してAIOを起動
  4.  設定を変えたい項目やアプリを選択してUSBフラッシュメモリへ書き込み
  5.  マツダコネクトを起動させてUSBフラッシュメモリを接続
  6.  マツコネにインストール(USBの認識に時間がかかる模様)
  7.  再起動して完了
※TV,DVDの視聴ロック解除の場合のみ

    【導入手順】

    1. AIOのダウンロード
     下記のページからAIOをダウンロードする。(現時点の最新Ver.は1.50)
    http://mazda3revolution.com/forums/2014-2016-mazda-3-skyactiv-audio-electronics/122458-aio-all-one-tweaks.html

    2. AIOファイル内の"02_01i.txt"にスクリプト書き込み
     走行中にDVD,TVの視聴ができるようにするには次の操作が必要です。(不要な場合は3.に進む)
    ダウンロードしたAIOファイルを展開し、"choose"フォルダ内の"0_01i.txt"を開く。なお、"0_01i.txt"は隠しファイルに設定されているためwindows側で隠しファイルを表示する設定にする必要があります。
     5行目6行目に下記のスクリプトを追加する。5行目はDVD視聴解除、6行目はTV視聴解除のスクリプトです。

    5行目:dbus-send --address=unix:path=/tmp/dbus_hmi_socket /com/jci/testdiag com.jci.testdiag.DVD_SpeedRestriction_Enable boolean:false
    6行目:dbus-send --address=unix:path=/tmp/dbus_service_socket --type=method_call --dest=com.jci.vbs.diag /com/jci/vbs/diag com.jci.vbs.diag.Routine_Request byte:15 uint16:65535

     上書き保存してファイルを閉じる。

    3.USBフラッシュメモリをPCに挿してAIOを起動
     USBフラッシュメモリは予めFAT32でフォーマットし、空の状態にしておきましょう。マツダコネクトはFAT32以外でフォーマットされたものは認識しません。また、デリケートなマツダコネクトのためにUSBフラッシュメモリは空の状態にします。

    4.設定を変えたい項目やアプリを選択してUSBフラッシュメモリへ書き込み
     AIOの"choose.cmd"を起動すると以下のウィンドウが現れます。キーボードで"9"を入力し、Enterを押すと各項目のヘルプが見れます。詳細はヘルプを参照してください。


    上から
    [A]走行中のナビタッチスクリーンの有効化(2.でDVD、TVのスクリプトを設定し、有効にする場合)
    [B]マツコネ起動時の免責事項表示時間を3.5秒から0.5秒に変更
    [C]バックカメラ起動時のセーフティーワーニング表示を消す
    [D]アルバムジャケットが見つからない場合、アルバムアートのフレームを消す。
    [E]背景を変更する。(configフォルダ内のbackground.pngを変えておく必要あり)
    [F]スピードメーターアプリをインストールする。(マツダコネクトのApplicationから起動できる)
    [G]ステータスバーに各種データを表示する。
    [H]メインメニューのアイコンの色を変更する。
    [I]ミュートボタンで音楽を一時停止する。
    [J]バックカメラ起動時に表示される自動車の絵を半透明にする。
    [K]プレイリストなどで項目を選択する際、カーソルをループさせる。リストの一番上にカーソルがある際に更に上に行くとリストの一番下に移動する。その逆もまた然り。
    [L]メインメニューでKと同様に左右ループさせる。
    [M]免責事項を表示させない。
    [N]音楽ファイルFLACを再生できるようにする。
    [O]オーディオソースリストを変更する。
    [P]オービスの位置を表示させる。ナビ用SDカードにオービスの位置を記したtxtファイルを入れることで可能となりますが、AIOに標準では行っているtxtには日本版がないので使用するなら自分でデータベースを作る必要がある。
    [Q]スマホ画面をマツダコネクトにミラーリングするアプリをインストールする。
    [R]Android Autoをインストールする。
    [S]AIOによる各種インストールの前にJCIフォルダをバックアップする。JCIフォルダにはマツコネの各種設定ファイルが含まれています。
    [T]SSH通信を有効にする。
    [U]メッセージを消す。
    [V]mazda media player V2のスワップファイルを作成する。スワップファイルを作成するとエンジンを再始動した後も再生位置を記憶できるようになります。ただし、起動中はUSBフラッシュメモリを抜くことができなくなります。
    [W]マツダコネクト右上の時計を1秒間タッチすると設定画面が開ける
    [X]ブートアニメーションを無効化する。
    [Y]大きなアルバムアートを表示する。
    [Z]各種の背景を無効化し、TOP画面の背景を表示させる。
    [4]videoplayerをインストールする。(ハードが貧弱なため再生できるファイルに制限があります。)
    [5]燃費表示にkm/Lを追加する。日本版では最初から表示されているはずなので不要
    [6]8000×480pxの画像を背景として登録し、10分かけて循環表示させる。

     例えば、走行中のナビ操作およびDVD,TV視聴の有効化をする場合はキーボードで"A"を入力し、Enterを押す。USBにインストールする項目にチェックがつくので、複数インストールする場合は続けて項目を選択していく。
     すでにマツダコネクトにインストールした項目をアンインストールしたい場合は"2"を押すと、アンインストールする項目を選択できる。
     インストールまたはアンインストールする項目を選択し終えたら"0"を入力してEnterを押す。
     少し待つと"Should I copy the data directly to an USB drive card?"と表示されるので"y"を入力してEnter。
     "On which drive letter should I copy?"と表示されたらインストールに使用するUSBフラッシュメモリのドライブ名を指定する。例えばUSBフラッシュメモリがEドライブとして認識されていれば"E"と入力してEnterを押す。
     少し待ち、"続行するには何かキーを押してください"と表示されれば完了。適当なボタンを押すかウィンドウの☓で閉じてください。

    5. マツダコネクトを起動させてUSBフラッシュメモリを接続
     車のエンジンをかけてマツダコネクトを起動させる。完全に起動するまで1分程度待つ。
     完全に起動したら、USBフラッシュメモリを接続し、♫から再生するソースにUSBを選択する。このとき"再生できるファイルがありません”とのメッセージが出ますが無視する。
     数分待つと"CONTINUE INSTALLATION?"と表示されるので"YES-GO ON"を選択し、インストールする。
     インストールが終わると”Click OK to reboot the system”と表示されるのでOKを押してマツダコネクトを再起動させる。
     マツダコネクトが立ち上がればインストール完了。ちなみに、TV視聴有効化を設定した直後にサイドブレーキを引かずにTVを選択してもブルー画面で見れないことがあります。その場合は1度サイドブレーキを引いてから元に戻すと見れるようになります。2回目以降はサイドブレーキに関係なくTV視聴ができるはずです。

    3 件のコメント:

    1. すみません突然。
      このページを参考にさせて頂き背景変更を試みたのですが…

      "CONTINUE INSTALLATION?"

      "YES-GO ON"

      でその後自動的にマツコネ再起動となります。
      マツコネ立ち上がっても何も変更になっていません。

      当方 Version56.00.220Aで
      "CONTINUE INSTALLATION?"の画面も同じバージョン表示でております。
      何か原因となることで思いあたることがありますでしょうか。

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      1. こんにちは。

        背景を変えたことはないので正確なことはわかりませんが、
        テレビ視聴の制限解除を行った場合でもインストールが成功したにも関わらず再起動後にそれが反映されていないという現象が発生することがあるようです。
        実際に私の場合がそうでしたが、再起動後にシフトレバーの操作やモード切替(音楽再生やナビ起動など)などを行うことでインストール内容が有効となる場合があります。
        ただし、このような現象は一度でもインストール内容が有効になると二度と発生することはありません。この現象は他の方でも発生しているようです。

        背景の変更についても同じ現象であるかはわかりませんが、インストール自体は成功しているのであれば同じように色々操作してみることで背景の変更が反映されるかもしれません。
        もしインストール自体がうまく行っていないようであれば、インストール用のUSBのconfigフォルダにbackground.pngという名前で背景にしたい画像が入っていることを確認してください。背景にオリジナルの画像を使用している場合は画像のサイズはサンプル画像のサイズに合わせたほうが良いと思います。

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      2. ご連絡有難うございます。
        色々と試して様子を見てみたいと思います!
        取りあえずバージョンアップしてみます。

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